2023年3月実施「社会福祉法人経営動向調査」の結果
独立行政法人福祉医療機構は、社会福祉法人及び特別養護老人ホームの経営における現場の声・実感を把握し、社会福祉政策の適切な運営に寄与するため、四半期ごと(6月・9月・12月・3月)に「社会福祉法人経営動向調査(WAM短観)」を実施しています。
今回2023年3月に実施された調査の対象は、特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人517法人(WAMに登録しているモニター)で、そのうち384法人から回答があり、その結果を公表しています。
【社会福祉法人の結果(概要)】
軒並み厳しい数字が並びますが、特に従業員数のDI(業況判断指数)の悪さが目を引きます。
●業況判断のDI(「良い」から「悪い」を引く)は、前回調査から13%ポイント低下し△28。
●サービス活動収益のDI(「増加」引く「減少」)は、前回調査から19%ポイント低下し△42。
●サービス活動増減差額のDI(「増加」引く「減少」)は、前回調査から20%ポイント低下し△50。
●サービス活動収支(黒字・赤字)のDI(「黒字」引く「赤字」)は、前回調査から18%ポイント低下し△16。
●資金繰りのDI(「容易」引く「厳しい」)は、前回調査から11%ポイント低下し△26。
●従業員数のDI(「過剰」引く「不足」)は、前回調査から3%ポイント低下し△64。
【特別養護老人ホームの結果(概要)】
こちらも厳しい数字が並んでいますが、介護職員の確保のDI△83という数字が突出しています。
●サービス活動収益のDI(「増加」引く「減少」)は、前回調査から15%ポイント低下し△34。
●サービス活動増減差額のDI(「増加」引く「減少」)は、前回調査から15%ポイント低下し△42。
●サービス活動収支(黒字・赤字)のDI(「黒字」引く「赤字」)は、前回調査から15%ポイント低下し△13。
●施設全体の従業員数のDI(「過剰」引く「不足」)は、前回調査から1%ポイント低下し△58。
●介護職員の確保のDI(「容易」引く「厳しい」)は、前回調査から3%ポイント低下し△83。
●人件費のDI(「増加」引く「減少」)は、前回調査とほぼ同水準の46。
●稼働率のDI(「上昇」引く「低下」)は、前回調査から3%ポイント低下し△28。
●他施設との競合のDI(「厳しくない」-「厳しい」)は、前回調査から3%ポイント低下し△43。
●待機者のDI(「増加」引く「減少」)は、前回調査から9%ポイント低下し△39。
【その他の調査項目の結果】
●原油価格や物価高騰による影響
前年度同期と比べて原油価格や物価高騰により経営上の影響を受けていると回答した施設は97.1%。
影響を受けていると回答した施設のうち、 95.4%の施設で水道光熱費が増加。
その変化幅の内訳をみると、前年度同期比で水道光熱費が20%以上増加したと回答した施設は69.2%。40%以上増加した施設が28.7%。
●物価高騰に対応するための補助金・支援金の受給状況
物価高騰に対応する補助金・支援金を受給した施設は68.8%で(受ける予定26.0%)、1施設当たりの金額は定員規模や地域ブロックにより差がみられる。
詳しくは以下のURLから確認できます。
独立行政法人福祉医療機構ホームページ
https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/sh_survey_202303.pdf