令和 3 年度福祉医療施設の建設費について

独立行政法人福祉医療機構から、令和3年度の福祉医療施設建設費についてのレポートが発表されています。

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2021 年度(令和 3 年度)福祉・医療施設の建設費について

●ユニット型特別養護老人ホームの建設費は、平米単価 309 千円で坪単価に直すと約1,019千円となったようです。
定員 1 人当たりの建設費は 14,157 千円となり、ひと昔前は1人当たり10,000千円が目安とも言われていましたが、隔世の感があります。

●保育所および認定こども園の建設費の平米単価は 376 千円で、定員 1 人当たり建設費は 3,190 千円となり、平成22年度(2020年度)以降で最高額を記録したそうです。

レポートの中では平米単価のグラフも掲載されていますが、令和3年度の平米単価を10年前のものと比較してみますと、いずれも1.5倍強の増加となっています。年率に直すと4%強の上昇率で、デフレ下の日本において凄まじい上昇の仕方です。

レポートでは、令和3年度の建設業界の動向は、アメリカの住宅市場をはじめとする建設需要の増加に伴い、建設資材が高騰しており、とりわけ、令和3年 8 月以降の原油価格・物価高騰、令和4年 2 月以降のウクライナ情勢も相まって、直近の急騰は激しいとしており、掲載されているグラフを見ても顕著です。昨今の社会状況を見ても、当面この傾向は続きそうに思われます。

また価格面のみならず、資材の確保自体が困難となっており、これによって工期が長期化する事例も発生しているとのことで、今後の福祉医療施設の新規施設整備は慎重に進める必要がありそうです。