2021 年度 養護老人ホームの経営状況について
独立行政法人福祉医療機構(以下「機構」という。)から、表題のレポートが公表されています。
機構では、毎年度、貸付先の経営状況について調査を行っており、このほど貸付先より提出された財務諸表等のデータを用いて、2021 年度(令和3年度)の養護老人ホームの経営状況について分析を行っています。
※「なお、施設類型によっては、サンプル数が少ないことから、必ずしも本分析の結果が全国の
養護老人ホームの状況を反映しているとは限らない可能性があることにご留意いただきたい。」
との注釈あり。
【養護老人ホームは赤字施設割合が拡大】
養護老人ホーム(一般型養護)の経営状況
●2021 年度のサービス活動増減差額比率は、△0.9%とマイナス値
➢養護の分析を開始した 2017 年度以降でもっとも低い水準
➢赤字施設割合は 51.7%
➢利用率は 89.7%、利用者 1 人 1日当たりサービス活動収益(以下「利用者単価」
という。)は 6,883 円、定員 1 人当たりサービス活動収益は 2,254 千円
➢費用面では、サービス活動収益対人件費率(以下「人件費率」という。)が 54.5%、
サービス活動収益対経費率(以下「経費率」という。)が 40.7%
● 赤字施設は利用率が低く、実利用者に対する人員配置が過大となっている傾向
● 定員規模が小さいほど人件費率が高く、サービス活動増減差額比率が低い傾向
養護老人ホーム(特定施設養護)の経営状況
●2021 年度のサービス活動増減差額比率は、△1.4%と一般型養護と同様にマイナス値
➢サービス活動増減差額比率は、△1.4%となっており、これは一般型養護と同様、
2017 年以降でもっとも低い水準
➢赤字施設割合は 58.2%
➢利用率は 90.3%、利用者単価は 7,434 円、定員 1 人当たりサービス活動収益は
2,450 千円
●赤字施設は黒字施設と比べ、主要な加算の算定率が低いことから利用者単価が低い
●定員規模が大きいほうが赤字施設割合が低い傾向
詳しくは以下のURLから確認できます。
独立行政法人福祉医療機構ホームページ
https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/230719_No004.pdf