2022 年度保育所・認定こども園~ほぼ半数の施設で職員が不足と回答
独立行政法人福祉医療機構(以下「機構」という。)から、「2022 年度保育所・認定こども園の人材確保および処遇改善に関する調査について」というレポートが公表されています。
機構では、保育分野における人材不足等の現状と事業者の人材確保への取組みを把握することを目的に、貸付先の保育所および認定こども園を対象に「保育人材」に関するアンケート調査を定期的に実施しています。
このレポートでは、2022 年度に実施した調査の結果から、保育所および認定こども園における職員の充足状況、採用活動および退職の状況、処遇改善の状況、ICT 機器の導入状況について概観しています。
【ほぼ半数の施設で職員が不足と回答】
➢ 職員の充足状況
●保育士等、在所児の保育を担当する職員が不足しているという回答は 47.9%となり、2020年度調査より 17.3 ポイント悪化。
●職員が不足している理由については、「採用したい人数を採用できていない」が 74.9%と最も多かった。
●職員不足の要因として、支援を必要とする在所児の増加や地域子ども・子育て支援事業実施のためという回答も一定程度挙げられた。
●職員が不足している施設の 49.9%が在所児の受入れ制限を実施 。
➢ 人材紹介会社の利用
●正規職員の採用に結びつく効果が大きい経路・媒体として、人材紹介会社が78.2%と最も多くの回答があった。
●利用するすべての施設が紹介手数料が「とても高い」または「やや高い」と回答。
●1 年間に人材紹介会社へ支払った手数料の総額を聞いたところ、1 施設当たり 217.4 万円。(1 施設当たりのサービス活動収益の 1.37%に相当する金額)
➢ 処遇改善の状況
●89.0%の施設が処遇改善等Ⅲの認定を受けており、そのうち 95.1%の施設が保育士・保育教諭以外の職員にも配分。
● 処遇改善等加算Ⅲによる処遇改善額は 1 人 1 月当たり平均 7,971 円。
➢ICTの活用状況
●ICT 機器を活用している業務は、「保護者への連絡」が 76.9%ともっとも多く、「登園・降園の
管理」が 65.7%で続いた。これらの業務を挙げた施設の割合は、2020 年度調査よりも20 ポイント程度上昇。
●ICT 機器を活用した効果については、「施設内で連携しやすくなった 40.2%」との回答が最も多く、「業務上の単純ミスが減った 35.9%」と続いた。
詳しくは以下のURLから確認できます。
独立行政法人福祉医療機構ホームページ
https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/230331_No019.pdf