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会計顧問のサービス内容はどこまで?社会福祉法人が顧問契約を見直す際のポイント

2025.07.16
コラム

企業が会計事務所と顧問契約を結ぶ際には、毎月の顧問料に見合ったサービスを受けられるかどうか、慎重に検討してから契約することは当たり前のことかと思います。一方で、一度契約した顧問料は固定費として扱われがちで、費用対効果を定期的に見直していないことも少なくありません。

ご自身が顧問税理士と関わる立場になってようやく、「このサービスは本当に必要なのだろうか?」「顧問料に対して十分なサービスが受けられているのだろうか?」と疑問を感じることはよくあります。

この記事では、社会福祉法人が会計事務所に依頼できるサービス内容や、契約先を見直す際に押さえておきたいポイントについてわかりやすく解説します。顧問契約で見直すポイントは、「自法人が求めるサービス内容の再確認」と「比較検討」です。法人事務局で経理を担当している方は、ぜひ参考にしてみてください。

顧問契約による基本的なサービス内容とは?

まず、一般的に会計事務所で顧問契約として提供されるサービスは以下のようなものが主流です。契約内容は、法人の要望に合わせて「税務相談だけ」、「月次試算表の作成から申告書の作成まで」といったように必要に応じてカスタマイズすることができます。

  • 会計・税務相談
    税務に関することや会計処理の相談対応
  • 決算書の作成
    決算書・勘定科目明細書の作成
  • 申告書作成
    決算時の法人税・消費税の申告書作成・提出
  • 月次試算表のレビュー
    法人内部で作成する試算表について専門家がレビューを実施
  • 経営相談
    財務分析や資金繰りのアドバイス、経営計画策定支援
  • 年末調整・法定調書作成
    職員の年末調整や税務署への法定調書提出支援

このほか、事業規模や契約内容によっては税務調査の対応や会計帳簿の記帳などのサービスを受けることができます。

社会福祉法人が契約する際の会計顧問サービス

次に、社会福祉法人が会計事務所と顧問契約をすると、どのようなサービスが受けられるのか見てみましょう。

社会福祉法人は税制優遇を受けているため、会計事務所と顧問契約を結ぶイメージがあまりないかもしれませんが、社会福祉法人会計は企業会計と異なる基準が設けられており、専門的な知識が必要になります。会計事務所では、複数の社会福祉法人の会計や手続きを数多く経験しているため、顧問の先生に相談することでこれまでの事例を踏まえたアドバイスが受けられます。

  • 会計・税務相談
    税務に関することや会計処理の相談対応
  • 法令・通知の情報提供
    社会福祉法等の法令や社会福祉法人会計基準などの情報提供
  • 月次試算表のレビュー
    適切な会計処理がなされているか、3表バランス1などをチェック

上記の他、計算書類・注記・財産目録・附属明細書の作成や社会福祉充実残額の算定、財務会計に関する事務処理体制の向上に対する支援などを依頼することができます。契約内容によってどこまでがサービスの対象とするかは異なりますので、見積書を依頼する際に確認してみましょう。

近頃は、社会福祉法人会計が改正を追うごとに複雑になっていることや、人手不足の影響から会計事務所を活用した効率的な経営を検討する法人も少なくありません。

さらには、社会福祉法人も経営的な視点が求められる時代ですので、会計事務所を活用して経営面のアドバイスを求めることも可能です。

顧問料に対して「サービスが少ない」と感じるのはなぜ?

顧問料の割にサービスが少ないと感じる理由としては、

  • 「連絡が取りにくい、レスポンスが遅い」
  • 「形式的な試算表の説明だけで経営に活かせていない」
  • 「相談した内容の回答のみでアドバイスや提案がない」
  • 「面談の内容が薄く、有益な情報をもらえてないと感じる」

などが挙げられます。

この場合、会計事務所側とのコミュニケーション不足が根本原因であることが多いです。顧問契約時に「何をどこまで期待するか」「どのように連絡や報告をしてほしいか」を明確に伝えることが重要ですが、契約者である理事長または施設長が期待することと、現場の実務担当者が期待することにズレがある場合も多くあります。まず内部でしっかり要望についてすり合わせをする必要があります。

顧問契約見直しのポイント

もし現在のサービスに疑問を感じているなら、以下のポイントで見直しを検討しましょう。

① 現状のサービス内容を洗い出す

  • どの頻度で面談・報告があるか
  • 具体的にどんなアドバイスを受けているか
  • 緊急時の連絡対応はどうか

② 他の会計事務所の見積もりやサービス内容を比較検討する

  • 顧問料だけでなく、提供されるサービスの質・範囲を比較
  • クラウド会計やITツールの活用状況もチェック

③ 自法人のニーズを再確認し、契約している会計事務所に伝える

  • どんな経営課題に対する支援を期待しているか
  • 自法人の課題が見つからない場合には一緒に検討してもらえないか
  • 具体的な成果や提案を求めること

④ 契約内容の変更交渉または会計事務所の切り替えも視野に

  • 既存の顧問契約を見直す
  • 他の会計事務所に相談し、より満足度の高い先を探す

おわりに

会計事務所との関係は「料金対サービス」のバランスが重要です。

もし「顧問料に見合うサービスが提供されていない」と感じている場合には、まずは現在契約している会計事務所に具体的な要望を伝え、改善を図ってみてはいかがでしょうか。改善が難しい場合は他の会計事務所でサービスが受けられるのか、検討することも選択肢のひとつだと思います。

顧問契約は経営のパートナー選びです。自法人のニーズに合った良質なサービスを受けるために、積極的なコミュニケーションと見直しをおすすめします。

注釈

  1. 3表バランス:社会福祉法人会計基準では貸借対照表のほかに事業活動計算書(企業会計の損益計算書)の他に資金収支計算書を作成する必要があり、この3表の関係のことを3表バランスといいます ↩︎

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